FreeBSDのみで NISドメインを構成する場合は上記の設定で 使用できますが、他の計算機が混在している場合は注意しなければ ならない点があります。ひとつは、パスワードの暗号化方式で、 もうひとつはシャドーパスワードです。
FreeBSDは標準で MD5という方法でパスワードの暗号化を行ないます。 この方法は DESによる暗号化よりもクラックに強いといわれています。 しかし、一般的にはDESによりパスワードを暗号化するため、 FreeBSD以外の計算機が混在する環境では FreeBSDの方も DESによる パスワードの暗号化を行なう必要があります。 ただし、DESの暗号化を行なうパッケージをアメリカから入手すると アメリカの輸出規制に抵触します。 合法的な暗号化を行なうパッケージの入手およびインストール方法は Install.98を参照して下さい。
つぎにシャドーパスワードについて説明します。FreeBSDでは
passwd
と master.passwd
を区別します。
前者には暗号化されたパスワードは含まれず、すべてのユーザが
読むことができます。後者には暗号化されたパースワードが含まれ、
特権ユーザのみ読むことができます。NISでもこの機能は有効に
なるのですが、FreeBSD以外の NISクライアントがある場合には
不都合が生じます (FreeBSD以外の NISクライアントは
暗号化パスワードを取得できない)。もし FreeBSD以外の
NISクライアントがある場合、/var/yp/Makefile
に、
UNSECURE = "True"と記述することにより、
passwd.byname
と
passwd.byuid
のマップに暗号化されたパスワードを
含めることができます。(当然、セキュリティーレベルは下がります)